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このサイトは日本聖書協会発行の
新共同訳聖書から引用しています。
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週報巻頭言
週報巻頭言 : 「キリストの前に立たされながら」 ヨハネ福音書 18 章 28-38a 節
投稿者 : iybpc 投稿日時: 2019-07-07 11:59:39 (17 ヒット)
週報巻頭言

彼は口を開かなかった。屠り場に引かれる小羊のように、毛を刈る者の前 に物を言わない羊のように、彼は口を開かなかった。捕らえられ、裁きを 受けて、彼は命を取られた。(関連聖書イザヤ 53:7-8)
ローマのユダヤ総督は、普通はカイザリアにある総督の屋敷に住んでいます。けれ ども、祭りの前になると、エルサレム神殿近くの総督官邸に、かなりの数の兵士たち を伴って滞在していたようです。もしユダヤ人たちが興奮し、暴動や反乱、あるいは 万が一にも「民衆蜂起」が起きたときには、すぐに鎮圧に乗り出せるようにです。 世界を武力で征服していたローマ帝国は、その一方で常に各地の反乱に神経を遣っ ていました。特に、民族的・宗教的自負心の強いユダヤの地は、何がきっかけで暴動 が始まるかわからない、地下マグマがいつ吹き出るかわからない、そんな不気味な国 でした。「このユダヤを大過なく治める」。それが総督の主眼でした。そしてとりわけ 狡猾だったと言われるビラトの願いは、自分の任期中に何事も起こさずに全うし、栄 転することでした。ローマ皇帝の機嫌を伺い、自身は皇帝の権威をしっかり保持しな がら、他方ではユダヤ人たちの自尊心もある程度満たしてやる。一に威嚇、二に駆け 引き。忖度とおもねり、脅しと気遣い。それがピラトの政治の全てでした。 まだ明け方であるにもかかわらず、ユダヤの指導層が、ひとりの男を引っ立てて官 邸に押しかけてきました。「やっかいなことが起こり始めた」と、ピラトは直感しま す。「深入りしたくない」と思ったようです。それで「いったい、自分のところにま で連れてこなければならないのはなぜだ」「自分たちのことは自分たちで裁けるだろ う」と追い払おうとします。しかしユダヤの指導者たちは、あたかも決定済みのよう に言うのです。「あなたのところに来たのは、この男を、死刑にしてもらわねばなら ないからだ」 「死刑にできるのはあなただけの権限なんだから」と突きつけるのです。 そうです。もう彼らは決めてしまっているのです。「死刑だ」と。そして「もし死刑 にしなければ、ここで何が起こっても知りませんよ」と、暗黙の圧力をかけてきたの でした。興奮し、激高してピラトに迫りよる祭司長たち。あわてふためき困惑を隠せ ないピラト。この真ん中に、主イエスは静かに黙して立っていたのでした。 「彼は口を開かなかった。屠り場に引かれる小羊のように」。 吉 叶


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