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このサイトは日本聖書協会発行の
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週報巻頭言
週報巻頭言 : 時の秘密  コヘレトの言葉3 章1-11 節
投稿者 : iybpc 投稿日時: 2020-10-11 13:16:06 (20 ヒット)
週報巻頭言

神はすべてを時宜にかなうように造り、また、永遠を思う心を人に与えられる。
それでもなお、神のなさる業を始めから終りまで見極めることは許されていない。
(コヘ3:11)
「コヘレト」には招集者(人々を集めて語り聞かせる者)という意味もあれば、収集者(古
今東西のさまざまな知恵を集める者)という意味もあります。研究者であり教育者です。
本文を読むと、コヘレト自身は人生をどっぷりと生きた「長老」的な存在であり、彼が
語る相手は若者たちであると感じられる箇所が多々あります。たとえば「青春の日々に
こそ、お前の創造主に心を留めよ」と呼びかけるところなどです。ただし、「青春」とは
若者の特権・属性というわけではありません。あえて定義するならば、青春とは「無垢
なまでに、ものごとの意味を問うこと。そのようながむしゃらな生き様を見せるとき」
だということができます。それを考えることで自分が得をするとかしないとか、そんな
ことは度外視して、「本質や真実を知りたい」「理由を知りたい」と自分の内側から湧い
てくる渇望に素直に(苦悩しながらも)従う姿のことだと言えます。ですから、人生を懸
命に探究しようとしている人たちを「聞き手」と理解してかまわないと思います。
そうした青春むき出しの聞き手たちに対して、コヘレトは、かなりニヒルなことを語
りかけていきます。「空の空、いっさいは空である。」などと水をかけるようなことを。
懸命に探求すること、納得を求めて追及すること。それは実に大切な姿です。簡単に
達観したりしないで「おかしい! 」「どうしてなんだ!」と義憤をおぼえ懸命に道理や幸福
への道筋を掴み取ろうとする誠実な姿です。コヘレトは、その姿を決して冷ややかに見
てはいません。が、人生の事実を隠すこともしません。すなわち、人間にはどうにもな
らない出来事が起き、承服しかねる状態が迫ることや、どんなに学習し準備し企図して
も、願ったように事柄を持ち運ぶことが必ずしもできないこと、などをです。
すべての物事には時というものがある。人間には操れない「時にまつわる秘密」がど
うしようもなくある。それが人間の実存です。人間の実存は、自分の過去と未来にだけ
挟まれているのではなく、他者との出会い、神の意志(としか言えないもの)という秘密
を含んでいるのです。そのような「時の秘密」に包まれていることを知りながら、しか
し安易に老成してしまうのでもなく、今という時を青春の日々として生きること。そし
て、青春の日々にこそ自らの創造主と出会うこと。秘密の前で謙遜であり現実の前に誠
実である、そんな人間の生き様をコヘレトは微笑ましく見ているのです。【吉盂陝


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