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このサイトは日本聖書協会発行の
新共同訳聖書から引用しています。
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Common Bible Translation
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週報巻頭言
週報巻頭言 : 魂が呼び戻される時 詩編23 編1-6 節
投稿者 : iybpc 投稿日時: 2021-01-31 20:53:13 (95 ヒット)
週報巻頭言

主はわたしを青草の原に休ませ、憩いの水のほとりに伴い
魂を生き返らせてくださる。(詩編23:2-3)
昨年3 月以降、パソコンの画面に人びとの顔写真が並び、自分の顔もそこに映し出さ
れるのを見ながら話す境遇にわたしは追い込まれました。「新しい」道具の使い方を得て、
当初は、高揚感すらありました。ところが、数週間もしないうちに、一日のほとんどを
その画面前に「stayon the chair」(椅子に縛られて)させられ、わたしは疲弊していきま
した。
「オンライン会議」の閉塞感を和らげるためか、各人が工夫をこらした「背景」を造り、
写真のバックグラウンドに採用する方がいらっしゃいます。少しでも自分の画面を「素
敵」に仕上げて羨ましいと思っていました。わたしはアジト感あふれる雑多な書庫が後
ろに映り、「さゆりさんは片付けができない人」と思われているでしょう。
どの背景を自分のものとして選ぶのかは、いたって「神学的なこと」であると思いま
す。わたしたちには「背景」があります。わたしたちは背景を自分で選ぶことはできな
かったはずです。生まれた時代、場所、生育の環境、経済状況、セクシュアリティ、喪
失、付与、病気、災害…わたしたちは、数えきれないほどの背景を、自ら引き受けて、「そ
れでも生きていこう」としてきたのではないでしょうか。わたしもその背景を「わたし
らしさ」と呼び、旅を続けています。「もっとこうなりたかった」「これが好きなのに」
という無念さや悔しさも心の中に沈殿させ、それでもわたしの背景の中で生きています。
この背景を一緒に背負いその背景の舞台に登場人物がたくさんいたら、なんと心が慰め
られることでしょうか。
詩編23 編にも背景があります。わたしたちが想像している以上に、壮絶な背景を背負
い詩人は全身の毛穴から滲み出す汗のようにこの詩歌を詠んだのではとわたしは考えて
います。牧歌的で美しい情景を思い浮かべることができる詩歌の一言一言に、この時に
この詩歌を詠まねばならぬと突き動かされた詩人の魂の声を聴きたいです。そこには、
壮絶な願い―祈り―信頼の表出を見出せるでしょう。この詩人が「魂」ということばを
使う時、政治的権力を持ち、生活圏では権限を逸脱する者たちに対する抗いがあります。
どれほど身体が損なわれようとも、どれほど心が疲弊されようとも、魂までも奪う力は
人間にはないのだという宣言です。「魂が呼び戻される時」への確信に至る詩人の背景と、
私たちが引き受けている背景を重ね、この一週間を歩みたいと思います。【渡邊さゆり】


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